『99.9刑事専門弁護士II』第5話は御殿場事件がモデルか。訴因変更、雨、出会い系サイトなど酷似
TBS日曜劇場枠『99.9 -刑事専門弁護士- SEASON II』第5話(2018年2月11日21時0分~)の感想・評価の分析記事です。
今回は考えさせられる回でしたね。モデルは御殿場事件だと思います。詳しくは後述しますね。
実は私は警察の取り調べを受けたことがあるんです(このドラマみたいな重大な事件じゃないですよ笑)。あれって、狭い空間ですし、精神的にちょっとでも弱い人だったり、記憶が曖昧で自信がなかったり、早く楽になりたいと思ったりしたら、自白させられてもおかしくない、そんな圧力があるんですね。帰りたいと言っても帰れないし。だから今回は、私はとても胸くそ悪い気持ちで観てしまいました。
キャスト影響度
まず、SNSのデータを用いて主要キャストの言及数を比較します。これにより各キャストのドラマへの影響度分析をします。
各キャスト言及数・関連語分析
SNSの投稿データから、各キャストに言及している投稿数、言及しているユーザー数、および主な関連語(括弧内はの数字は出現度)を示します。
深山大翔 役 松本 潤
1位は深山大翔役の松本 潤さん。
今回も「いただきますだおかだ」「カンバンワ! しまった人じゃなかった! ちょっと、カンバンしてよ」といったダジャレが出た。佐田先生の自宅のソファでくつろいだり、寝ている明石に肩を貸してあげたりもした。
焼肉屋店員 役 アキラ100%
2位は焼肉屋店員役のアキラ100%さん。
焼肉屋の店員で登場。裁判官から「100%言い切れますか?」と質問されるなど、100%を連呼された。
なお、さすがに服は着用していた。でもお盆の持ち方・・・。
佐田篤弘 役 香川照之
3位は佐田篤弘役の香川照之さん。
今回は、自宅に帰ると深山がソファーでくつろいでいた。また、ショーケースに「S」「a」「D」「a」の順で置いてあった文字の置物(?)を、深山に「D」「a」「S」「a」に変えられるという事件があった。
尾崎舞子 役 木村文乃
4位は尾崎舞子役の木村文乃さん。
舞子がいつも腹話術をやるもんだから、深山もやるようになってきた。
次回は、いよいよ彼女の弟だと思われる「謎の男」について明らかになるようだ。
謎の男 役 佐藤勝利
5位は謎の男役の佐藤勝利さん。
これまで回想シーンや写真でばかり出てきた謎の男、ついに次回、彼についての話がメインとなるようだ。
明石達也 役 片桐仁
6位は明石達也役の片桐仁さん。
深夜のバスの車中にて、隣りに座っていた深山の肩を枕にして寝ていた明石。視聴者からは「羨ましい」という投稿が相次いでいた。
今回も土下寝が出た。
川上憲一郎 役 笑福亭鶴瓶
7位は川上憲一郎役の笑福亭鶴瓶さん。
今回の裁判の進行を、裏で操っているように見えて、実は自分では全く指図はしていないというタイプみたいですね。忖度させるというか。本当に危ない橋は渡らないというか。
他の関連語
SNSに投稿されたこのドラマに関する関連語です。各単語の共起関係については冒頭に掲載した共起ネットワーク図もごらんください。
今回も小ネタが多い。「ハニワ」については後述する。今回はレッツビギン法律事務所の二人も出演した。
ハイライト・名場面(あらすじ含)
今回の盛り上がりグラフです。SNSで盛り上がった時間帯の分析をしています。キャスト別の盛り上がりもグラフ化していますので、お気に入りのキャストの出演時間帯を把握できます。
各盛り上がりポイント(★マークの時点)について説明します。
いただきますだおかだ!
今回最初の盛り上がりは、深山のダジャレである。
焼肉屋にて。店員はアキラ100%さん。
深山たちは6人でカルビを2人前、全員特盛りご飯を注文。タレを容器ごとご飯にかけて使い切る。
深山「では、いただきますだおかだ!」
誰かが「3点」と言った。
深山は、特製の大陸スパイスを、タレのかかったご飯の上にかけていた。
焼肉屋のメニューも注目された。「ブルゾンはらみ」「ガンバレロース」「おかずクラゲ」「笑い飯(そのまま?)」など。いろいろあったので探してみて下さい。
この時点のSNSでの反応:
「いただきますだおかだww」
「調味料久々に来た!!」
「アキラさん、服着てはる」
けがされた元ハニワ
いとこんちにて。「けがされた元ハニワ」が登場した場面。カウンターに置いてあった。
深山が特製「冬のあつあつドフィノワ」を作った直後の場面に出た。
「けがされた元ハニワ」は気味の悪い人形みたいなやつだが、これは松本潤さんが「櫻井・有吉 THE夜会」という番組で制作したものらしい。さすがにファンは見逃さなかったようだ。
この時点のSNSでの反応:
「あの ハニワだー!!」
「汚されたハニワくんではないか!!」
「けがされた元ハニワいたー」
カンバンでダジャレ2連発
深山のダジャレ2連発の場面。
深山は、深夜のバスを突然降りて、ある事件の「情報募集」の看板へ。
その看板をじっと見つめる深山。何かを閃いたようだ。
深山「カンバンワ!」(おじぎ)
ヒューと寒い風邪が吹いた。リアルに寒そうな屋外での撮影。
深山「しまった! 人じゃなかった! ははっ、ちょっとカンバンしてよ」
再び、寒い風が吹いた。
誰かが「なるほど」と言った。
この時点のSNSでの反応:
「ちょっとかんばんしてよwwww」
「深山先生のギャグ炸裂ーーーw」
「佐田先生いないからスルーされたwwwww」
謎の男は舞子の弟
ラストの場面。
舞子が一人で電話をしている。
舞子「わかりました。くれぐれも、弟のことをよろしくお願いします」
うつろな表情をしていた。
弟とは、彼女の回想に出てきたり写真で登場したりしていた「謎の男(佐藤勝利)」だと思われる。
次回はいよいよ舞子の過去が明かされるという。
なお来週は平昌五輪のため(?)、次回は再来週となる。25分拡大SP。
この時点のSNSでの反応:
「再来週は勝利くん出るのね」
「来週はおやすみ!?再来週か〜待ち遠しい」
「あの少年は弟だったのか」
御殿場事件との類似性
今回はストーリーは、御殿場事件との類似性が指摘されていて、同事件がモデルだと思われる。御殿場事件は、2001年に発生したとされる、冤罪の疑惑がある事件(御殿場事件のWikipedia)。
まず、容疑の内容が同じ。少年らが自白したのも同じ。
裁判では少年らが無罪を主張するという展開も似ている。
被告となった少年が、当日、飲食店にいた、というアリバイがあった点も似ている。
被害者とされた少女が、被告のアリバイのあった日に、出会い系サイトで出会った男とデートしていた、というのも同じ。少女と母親の関係も似ている(母親に本当のことを言い出せなかった)。
被告のアリバイが確定した後に、訴因変更(日付の変更)がされたのも共通している。
裁判において事件の日の天候(局地的な雨)が問題になったのも同じ。
近くで別の事故(ドラマでは事件だが)が起こってるというのも共通している。
御殿場事件では、少年たちが無罪を訴えていた。だが、2009年に最高裁で少年らの有罪(実刑含む)が確定している。
その他ネタバレ、あらすじ、解説等
実話である御殿場事件では、被告らは有罪となったが、ドラマでは少女・工藤久美子(清原果耶)が証言を覆し、被告の一部は無罪となった。
今回の事件(ドラマ)は、少女の証言に加えて、検察側や、少年法を厳罰化したいという政権の思惑も重なってこじれていった。裁判官もこの思惑に加担していた。
検察官の喜多方修造(矢柴俊博)は、被告のアリバイがあると確定した時点で、少女に「(事件のあった)日時、間違えているんじゃないかな? このままじゃ、お母さんも大変なことになるよ」と迫り、訴因変更(日付の変更)がなされた。
少女は「(最初は)お母さんに怒られたくなくて、嘘をついてしまった。でも話がどんどん大きくなって」と、最後に告白した。
視聴者の概況
SNSの投稿数やユーザー数の集計です。これによりこのドラマのSNSにおける影響度や視聴者の動向を分析します。SNS版の視聴率のようなものだと思います。
投稿数とユーザ数の括弧内は、放送時間帯の第1,第2,第3,第4四半期,放送後6分間の各値。
初回からの推移図を示します。
ユーザー数、投稿数ともに上昇している。前回から比べると視聴者が増えている可能性がある。
数値化された評価と感想
最後にSNSのデータを基にした評価を確認します。
初回からの推移図です。
今回も、総合的にはとてつもない高い評価が維持されている。
ただ「面白い」だけを見れば、このドラマにしてはやや低めだ(それでも平均を上回ってることには変わりないが)。
冒頭に書いたように、個人的には非常に胸くそ悪い回だった。確かに、ドラマでは最後スッキリとした解決がなされた。ただ、このような事例が、モデルとなった御殿場事件だけではなく、細かい件も含めればたくさんあると思われる(細かい事件こそ世間からは注目されず、見落とされがちだ)ので、ドラマではスッキリたけど、心にひっかかるものがあった。でっちあげた少女や、その母親、検察官はどうなったのだろう。私以外の視聴者の中にも、そう思った人がいたのではないかな。
でも多くの人が、そういう問題を考えるきっかけになったかもしれないというだけで、この回の価値はあったと思う。
さていよいよ次回は、謎の男回ですね。
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