『先に生まれただけの僕』最終回の感想・評価。ラストカットで鳴海が櫻井翔さんになる
日本テレビ土曜ドラマ枠『先に生まれただけの僕(先僕)』第10話=最終回(2017年12月16日22時0分~)を視聴した感想・評価の記事です。
前回のラストで、鳴海に二つの課題が発生。
一つは加賀谷専務が鳴海に、京明館への転籍を迫りつつ、樫松に戻ってくるようにと仕向けたこと。もう一つは、聡子から婚約解消を申し入れられたことでした。
最終回はこれらの課題に答えを出す展開です。
各キャストの影響度(言及数)
まず、SNSのデータを用いて主要キャストの言及数を比較します。これにより各キャストのドラマへの影響度分析をします。
まず注目したいのは、やはり最終回だけあって前回と比べてどのキャストの言及数も大きく伸びていること。投稿総数も前回と比べると約2.3倍、15分拡大だった初回と比べても約1.5倍となっています。
1位は樫松物産から出向した京明館高校校長・鳴海涼介役の櫻井翔さん。主演。前述したように、最終回は2つの課題の解決に挑んだ。終盤には恒例となっている、校長から生徒への言葉(スピーチ)や、受験生への言葉もあった。
2位は樫松物産専務・加賀谷圭介役の高嶋政伸さん。彼がただのありきたりな悪役だったら、これほど盛り上がらなかっただろうという、このドラマにとっては偉大な存在の一人。鳴海を京明館に出向させた張本人であるが、前回はその鳴海を樫松に呼び戻そうとして彼に決断を迫った。
3位は副校長兼事務長・柏木文夫役の風間杜夫さん。回を重ねるごとに味が出てきた可愛い事務長である。興奮してくると「じゃあさ!」と言っちゃうくせがあるようだ。
4位は特進クラス担任・真柴ちひろ役の蒼井優さん。鳴海に思いを寄せているようだが、それでも聡子との仲を応援してしまう複雑な心。いじらしい。今回は泥酔シーンもあった。島津からは言い寄られているが・・・。
5位は樫松物産の社員・松原聡子役の多部未華子さん。前回、鳴海に婚約解消を申し入れた元恋人。鳴海の6歳年下。交際5年。前回は一人カラオケも披露した。上手かった。
6位は英語教師・島津智一役の瀬戸康史さん。真柴先生への思いを隠さない。なんかちょっと怖い。でも最後は強引に真柴先生を食事に誘って、一応食事には行ってもらえるようだ。
7位は樫松物産社員・後藤田圭役の平山浩行さん。大きなプロジェクトを成功させ、いよいよ出世か・・・と思ったら、加賀谷から言い渡されたのはまさかの京明館出向。
8位は樫松物産の専務秘書・香坂友梨子役の松本まりかさん。今回は彼女が重要な役割を果たした。郷原先生(荒川良々)の弱みを握っていて、彼を通じて鳴海が京明館に残留するように画策した。
9位は保健室の先生(養護教諭)綾野沙織役の井川遥さん。生徒たちだけでなく、先生から恋愛相談もされる綾野先生。前回、京明館の志願者を増やすための対策の一環としてブログ(サオリンの独り言)を始めた。ブログでは「サオリン嬉しい」が口癖。
ハイライト・名場面(あらすじ含)
今回の盛り上がりグラフです。SNSで盛り上がった時間帯の分析をしています。キャスト別の盛り上がりもグラフ化していますので、お気に入りのキャストの出演時間帯をおよそ把握できます。
後半に凄まじい盛り上がりがある。
以下、各盛り上がりポイント(★マークの時点)について説明します。
保健室が恋愛相談室になる
★14分(盛り上がり度:128)
島津が、めっちゃ暗い表情で保健室を訪ねてきた場面。
島津「胃が痛いんです」
サオリン「あら」
島津「原因はわかってるんです。真柴先生です」
サオリン「え?」
島津「僕は・・・僕は真柴先生が好きなんです」
サオリン「はい?」
島津「でも真柴先生は校長先生が好きなんだー! どうしたらいいんですか? 真柴先生と校長先生がくっついちゃったら僕は!!」
サオリン「待って島津先生、ちょっとついていけない」
島津「あ、でも全部僕の妄想かもしれない。綾野先生、真柴先生の気持ちを確かめてもらえませんか?」
サオリン「私が?」
島津「ええ」
サオリン「それってただの恋愛相談ですよね?」
島津「綾野先生はカウンセラーでしょう!」
その後、事務長も「胃が痛いんです」と保健室を訪ねてきた。
事務長は、校長には婚約者がいたが別れた、その婚約者だった人と自分は友達だ、という話をした。綾野先生はますます混乱した。
この時点のSNSでの反応:
「綾野先生困惑www」
「島津っちwww」
「この学校大丈夫かよwww」
鳴海、転籍を受け入れる
★36分(盛り上がり度:212)
鳴海が、加賀谷に転籍を受け入れることを告げた場面。
鳴海「転籍を受け入れます」
加賀谷「ええ?」
鳴海の京明館残留に動いていた香坂は、小さくガッツポーズ。
加賀谷「ちょっと待て」
鳴海「僕は決めました」
加賀谷「樫松を辞めるのか? 二度と戻れないんだぞ」
鳴海「わかってます」
加賀谷「学校で問題が起こったらどうするんだ? 校長をクビになったら?」
鳴海「そうならないように頑張るしかありません」
香坂「応援します。鳴海さん」
鳴海「ああ、ありがとうございます」
加賀谷「いやいや、いやいやいやいやいやいや」
鳴海「専務のお嬢さんにも、喜んでもらえる学校にします」
加賀谷「考え直せ、鳴海。樫松に戻れば出世は約束するから」
鳴海「もう、振り返りません」
鳴海が部屋を出て行く。
加賀谷「振り返ろ! 振り帰って俺を見ろ、鳴海!」
鳴海は加賀谷を振り返ることなく、去っていった。
この時点のSNSでの反応:
「なるみん!!!転籍!やったー!!!かっこいい!」
「振り返って俺を見ろwwwwwww」
「秘書wwwwww超嬉しそうwwwww」
鳴海が聡子にプロポーズ
★40分30秒(盛り上がり度:228)
樫松の社内にて。
鳴海は、聡子に京明館に転籍することを明かした。それでも鳴海は、聡子と一緒にいたいと言った。
鳴海「僕とサトは同じ世界にいる。これからはもう不安にさせることはないし、これから先何があっても、絶対、サトを幸せにする。だから、どうか僕のワガママを聞いて下さい。僕と、結婚して下さい」
聡子、泣く。
聡子「ごめんね。ワガママを言っていたのは私の方でした。もう決めてたから、涼くんがどっちを選んでも、私は涼くんとずっと一緒にいるって。私と、結婚して下さい」
鳴海は「サト」と言って聡子を抱きしめた。聡子は「ちょっ・・・会社だよ」と言って恥ずかしくも嬉しそうに鳴海の背中に手を回した。
鳴海は「サプライズにはならなかったけど」と言って指輪を取り出し、聡子の指にはめた。
この時点のSNSでの反応:
「きゃー会社で!」
「本気のプロポーズ、素敵じゃないか。おめでとう」
「指輪ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
キング・オブ・モンスターペアレンツ
★51分30秒(盛り上がり度:447。今回最高の盛り上がり)
ラストの場面。
鳴海が愛妻弁当(だと思われる)を食べている(しかも鳴海は指輪もしていた)と、事務長が校長室に駆け込んできた。
事務長「校長! 保護者からクレームです! またあいつですよ! キング・オブ・モンスターペアレンツ」
キング・オブ・モンスターペアレンツとは加賀谷だった。娘(次女・希美)が京明館に入学したのだ。
加賀谷「なんで娘のテスト結果がこんなに悪いんですか!!」
鳴海「なんでと言われましても・・・」
事務長「これは公正な採点の結果です」
加賀谷「事務長に聞いてるんじゃない! 私は、こう、こう・・・」
事務長「校長先生?」
加賀谷「そう! ・・・に聞いてるんです。納得できる説明をしてくださいよ! こう・・・こう・・・」
事務長「『校長先生』って言えないんですか?」
加賀谷「言いたくないんだよー!!」
事務長「落ち着いて下さいお父さん」
鳴海「大丈夫! お嬢さんは、まだまだ伸びしろがあります。いや、伸びしろしかありませんよ」
加賀谷はなんとも言えない悔しそうな表情(素晴らしい顔芸だった)になり「クククう・・・!!!」と声にならない声を絞り出した。
鳴海がその顔芸から目をそらして窓のほうを見た時、スタッフの「カット」という声が入った。
櫻井翔さんが「ハハハ」と笑った。
字幕は「鳴海『ハハハ・・・!』」ではなく「櫻井『ハハハ・・・!』」となっていた。
斬新なラストカットだった。
以前も書いたが、この鳴海校長先生と、現実世界の櫻井翔さんに共通点があるとか、どこかでつながっている存在なのだと、示唆した意味があるのだろうか。
その後のスタッフの言葉や動きからして、NGシーンのようにも感じたが・・・。
この時点のSNSでの反応:
「終わり方最高wwwww」
「最後の終わり方面白かった」
「鳴海校長から一気に翔さんになった」
「オチ良かったよwwwwwwww」
「最後の笑顔最高やん」
その他あらすじ、ネタバレ等
ストーリーは公式サイトのあらすじも参考に。
今回は他にも盛り上がりポイントが多くあったので、ここで簡単に書いておく。
★4分30秒(盛り上がり度:82)・・・事務長が、焦っておしるこに七味を入れちゃったシーン。
★7分30秒(盛り上がり度:78)・・・事務長が鳴海に「尊敬しています。校長とずっと仕事がしたい。でもあなたの将来を考えれば、樫松物産にお戻りになって、バリバリ仕事をされたほうが」「松原さんは素敵な女性です。あなた一生後悔します」などと言ったシーン。
★10分30秒(盛り上がり度:127)・・・鳴海と聡子が会い、鳴海が聡子に謝罪したシーン。
★16分30秒(盛り上がり度:106)・・・後藤田が、加賀谷から京明館の校長にすると言われたシーン。
★24分30秒(盛り上がり度:91)・・・聡子、真柴、サオリンの女子会の帰りのバスにて。真柴がサオリンの肩に寄りかかり、泣くシーン。
★30分30秒(盛り上がり度:116)・・・秘書の香坂が、郷原の機密漏洩を指摘して彼を脅し、鳴海を京明館に引き止めるように言ったシーン。
★47分30秒(盛り上がり度:132)・・・タイトル回収のシーン。鳴海が生徒らにスピーチ。「僕はこの学校の校長先生ですが、だからといって偉そうにするつもりはありません。僕はただ、みんなより、少しだけ先に生まれてきただけなんだから」
数値化された評価と感想
冒頭に掲載したのは、SNSのデータを基にした共起ネットワーク図です。感想の可視化・分析を目的に掲載しています。再掲します。
最後にSNSのデータを基にした評価を確認します。
最終回は凄まじく高い評価。あのロングスピーチ回(第4話)やオープンキャンパス回(第5話)を超えるこのドラマのベストとなった。しかも前述の通り、SNS投稿数が凄まじく多かった。
続編を期待する人も多いようだ。
鳴海を中心に、すべての人物にそれぞれ物語があって、最終回ではそれがうまくつながっていくような形になった。加賀谷や後藤田、郷原一味を含めて、悪役であったとしても人間味があって憎めない部分があるのも良い。
またSNS投稿を調査したところ、やはり高校生や大学生を中心とした世代では上記よりさらに高い評価となっている。若い世代を中心にインパクトのある、しかも新しいタイプの学園ドラマだったと言えるのではないか。
脚本(福田靖さん、原案も兼ねる)と櫻井翔さんの相性も良かったと感じた。櫻井さんの言葉がストレートに響いた。ラストカットはさすがに脚本家の指定ではなくて、演出(水田伸生さん)が思わずやっちゃったのかなと。前述したように、櫻井さんと鳴海を重ね合わせる意味があったのか、それか単純に、カット後の櫻井さんの笑顔を(NGだったとしても)オンエアしたくなったのだろうか。このラストも好評だった。
シリーズを通して演技も良かった。特にSNS上で特に評価されたのは鳴海、真柴、加賀谷、事務長だが、他のキャストも含めてほころびがなかったと思う。大ベテランの高嶋政伸さんや風間杜夫さんにあの迫真の演技をされたら、他のキャストも気合い入れて演技・役作りしないと・・・という効果が現場であったのかなと想像する。このあたりは現場の雰囲気作りも含めてキャスティングのうまさだと思った。
みなさん、お疲れ様でした。
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見たい 瀬戸さんが英語話せる何で すごい